或る意味、今が旬の大西洋・地中海産のクロマグロ

今朝の新聞です。

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ここ最近、テレビのニュースでも流れていたので、ご存知の方も多いはずですが、とりあえず、大西洋・地中海産のクロマグロの国際商取引禁止案が否決されました。

ひとまずは、安心ですが、自分としては、別に鮪がなくても、魚にはいろんな種類がいて、それぞれの旬、美味しさがあるわけですから、無理してまで、食べる必要はないと思います。

確かに、赤い色をした鮪が刺身の中にあれば、食欲がそそられ、美味しそうには見えますが、『佳肴 季凛』は、鮨屋さんでもありませんし、“何とかの一つ覚え”の如く、鮪が無くても会席料理などのコースの刺身を作ることが出来ます。

また、大して美味しくもない冷凍や養殖の鮪を使うのでしたら、天然ものの白身や、時季の貝類や小物などの方が、ずっと美味しいと思っているので、『佳肴 季凛』には、いつも鮪があるとは、限りません。

旬の美味しさを味わうのが、日本料理の真髄ですし、『佳肴 季凛』についても同様です。

さて、“大西洋・地中海産のクロマグロ”ですが、マスコミでも採り上げられたように、タイムリーですから、或る意味では、旬の食材です。そんな昨日、『佳肴 季凛』に入荷したのが、

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地中海に面しているギリシャ産の生の“本鮪”です。
つまり、“大西洋・地中海産のクロマグロ”というやつです。

中から取り出したのが、こちらです。

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赤身と中トロのバランスは、最高の具合です。
赤身の美味しさは、国産の生の天然ものと、何ら遜色はありませんし、全くの互角です。
その風味は、本物の一言に尽きます。

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赤身が美味しいから、中トロも美味しいのであって、鮪の味は赤身で決まります。
脂がなければ、美味しくないというのは、単なる“トロ信仰”に過ぎません。

脂の乗った魚が好きだったら、養殖ものを食べれば、よいのです。
養殖ものは、脂の味と養殖もの特有の臭いしかしません。
なので、魚本来の旨味とコクはありません。

特に刺身に関してですが、畜養を含め、養殖の魚を使わない最大の理由が、これです。
先月、二度ほど使った“京都産本鮪(畜養)”についても、然りです。

『佳肴 季凛』でお出しするものは、自分が食べて美味しいものしか出しません。
ましてや、美味しくないものを、儲かるからとか、仕入れが安かったからという理由で、お出しするのは、自分には出来ません。

少しくらい高くても、自分の納得した素材で料理を作ることのほうが、自分にとっては、代え難いことなのですし、その方がお客様も喜んでくれます。
料理人の料理は、お客様が喜んでこそのものです。

その次に、店側の人間が喜ぶのが、本来あるべき順序です。
それを突き詰めるのが、自分のようなオーナーシェフの役目だと思い、料理を作り続けるのです。


★★★ 期間限定 会席料理 ★★★

2月、3月限定、しかも女性のお客様限定の会席料理(夕席)“春支度”を、御用意致しました。

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先付に始まり、食事、デザート付の全9品(お一人 3,000円)のコースとなっております。
なお、ご予約なしでもお召し上がれますが、土曜日以外のお支度となります。

春には、まだ早いですが、吟味した食材で奏でる“身体にやさしい、美味しい日本料理”を、召し上がって、楽しい一時をお過ごし下さいませ。


  店主 志村


※佳肴季凛 公式ホームページ の ブログ:『もっと美味しいお話し』 より転載
 【佳肴季凛】 Design & Reform by MACS

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Posted by 熱血料理人. at 2010年03月23日09:00

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